テレワークが急激に加速している

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5月31日まで、テレワーク助成金 100万円
地方で兼業や副業をする場合、最大150万円

厚生労働省は、3月3日、テレワークのために、通信機器の導入などかかった費用の半分を1社100万円まで補助すると発表した。対象となるのは、2月17日から5月31日までに、テレワークを実施した労働者が1人以上いる企業だ。

この制度は昨年12月に終了していたが、速やかな導入を図るために再開された。これとは別に、政府は2020年度に、東京圏に住みながら地方で兼業や副業をする人に交通費を支援する制度も始める。1000億円の地方創生推進交付金を活用し、1人当たり年間50万円を上限に3年間で最大で150万円を支給する。

そもそも政府は、東京五輪の開催時期に合わせ、テレワークを推進していた。労働人口の約16%がすでにテレワークを実施しているとみられるが、潜在的には約42%の実施者を見込まれている。

テレワークの普及で働く場所が多様化
共用部にワークスペースを取り入れる賃貸物件も増加

こうしたテレワークの広がりを、2020年の住まいのトレンドとして予測していたのが、リクルート住まいカンパニーである。

毎年発表している住まいのトレンドとして、今年は「職住融合」を上げ、テレワークの普及により、働く場所が多様化し、自宅の間取りの一部をオフィス仕様にする「家なかオフィス化」や、街の中のコワーキングで仕事する「街なかオフィス化」が増えていくとしている。職住の距離の制約が薄まる中で、職場に縛られない「街選びの自由化」が進み、都心から郊外へ引越しする動きもでてきている。

テレワークをきっかけに5割が引っ越しを検討
通勤に捉われない生活のしやすさを重視

リクルート住まいカンパニーが20~64歳を対象に行った「テレワーク×住まいの意識・実態調査」(2019年)によると、テレワークをきっかけでの引っ越しを実施・検討・希望している人は53%、通勤時間が長くなることを許容すると答え人は57%と多い。

また、引っ越しの際に重視する項目にも変化が見られる。一般的に重視されるのは、通勤や通学を考えた交通利便性や生活利便性であるが、テレワーカーの場合が重視するのは、「物価が安い」「住居費が安い」「防災対策がしっかりしている」といった通勤に捉われない、生活のしやすさだ。

テレワークのメリットとしては「通勤時間の減少」や「ストレスの軽減」を挙げる人が多い。すでに引っ越しをした人は、より「子供/家族との時間」 「趣味に費やす時間」などに価値を感じる傾向にあることもわかった。

テレワークをきっかけに引っ越しをした人の中には、東京から趣味のサーフィンを楽しめる湘南に転居した事例がある。平日の朝からサーフィンを楽しみ、ハーブを育てるなど自然に親しみながら、海の近くでの暮らしを楽しんでいるという。

ほかにも、正社員で働き続けられることを条件に、ご夫婦ともにフルテレワークができるIT系の企業に転職し、地方移住したファミリーもいる。

テレワークが進むことで、通勤時間がネックで、就職をあきらめていた郊外の子育てママの再就職や在宅ワークの障がい者の雇用が進むことも予測される。

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